切符 大阪梅田の「田」

2020年1月25日更新 一部「梅田」表記を「大阪梅田」に変更

大阪梅田の「田」
大阪梅田 vs. 大阪梅龱
阪急大阪梅田駅で切符を購入すると、梅田の「田」の字の「+」部分が「×」又は「メ」になってますが、印刷ミスではありません。 「大阪梅田」がかつて「梅田」駅の名称で自動改札機が無かった時代、すなわち人の手で改札を行っていた時代に、他に「田」の付く駅と区別するために用いられたのが理由と言われています。

阪急には「園田」「池田」「吹田」「山田」「富田」と「田」のつく駅が「梅田」の他に5つもあります。 人間では瞬時に見分けることは不可能だったことから、最も利用客の多い梅田駅の「田」の字を「龱」にして見分けやすいようにしたのです。 その名残が、自動改札機が普及した現在でも使われています。切符はもちろんのこと、ラガールカード・定期券等にも使われています。 また、現在の「大阪梅田」駅の名称に変更した後も使われています。 ただし、ICカードの利用履歴の印字や駅の看板には普通の「田」が使われています。

管理人の調査結果によれば、昭和34年(1959年)発行の定期券で梅田の「田」の字の「+」部分が「×」、昭和48年(1973年)発行の乗車券で「田」の字の「+」部分が「メ」であることを確認しています。 また、昭和33年(1958年)以前の定期券、昭和47年(1972年)以前の乗車券で使用が確認されていません。これらの事実から、 現在の表記方法が使われ始めたのは昭和34年からで、最初に販売単価の高い定期券に採用され、昭和48年から乗車券に採用されたと考えられます。

昭和48年から取り扱い数の多い乗車券に採用されたとはいえ、採用時点で自動改札機に対応しており、自動改札機も普及しつつある最中であったため、 皮肉にも実際に人間の目で区別されることはあまりなかったのではないかと考えられます。 定期券については自動改札機を利用せず駅員窓口で見せて通ることがあったため、実際この表記が役に立っていたのは定期券のみではないかと思われます。

参考までに、パソコンやスマホなどで「田」の字の「+」を「メ」と表記するためのunicodeは16進数で"9fb1"になります。html構文で龱と表記することで「龱」と表示可能です。 OSのバージョンによっては表示されません。

二代目カード対応券売機で購入した乗車券と土休日回数券です。梅田の表記が全て「田」の中が「メ」になっています。 また、回数券を自動改札に通して印字される梅田は「メ」ではなく完全に「×」の形になっています。

定期券とラガールカード裏面です。定期券の梅田の「田」の中は「メ」、ラガールカードに印字される梅田の「田」の中は「×」になっています。

昭和48年に梅田駅で発行された乗車券です。梅田の「田」の字は、「口」の中に「メ」になっています。 本券は自動改札機に対応した磁気券となっています。

昭和47年と昭和48年に梅田駅で発行された乗車券です。梅田の「田」の字は文字通り、通常の田となっています。 昭和48年の方は、自動券売機で発券された最後の非磁気券(裏面に磁気塗布が無い)の乗車券です。

昭和34年に発行された梅田−仁川間の通学定期乗車券です(当時の社名は京阪神急行電鉄)。 梅田の「田」の中は「×」になっています。判子による印字ではなく、予め印刷されたものとなります。 昭和34年に発行された梅田−庄内間の通学定期乗車券です(当時の社名は京阪神急行電鉄)。 梅田の「田」の中は「×」になっていて、判子により印字されています。



梅田の「田」が通常の田である昭和22年に発行された梅田−池田間の学生定期乗車券(通学定期)と、 梅田の「田」の中が「×」である昭和43年に発行された梅田−池田間の通勤定期乗車券です(当時の社名は京阪神急行電鉄)。 区間共に「田」の字を含む定期券ですが、確かに「×」の方がひと目見て梅田と判別出来ます。

昭和47年に山陽電気鉄道(山陽電車)板宿駅で発行された阪急梅田−板宿間の通学定期乗車券(通学定期)です。梅田の「田」の中が「×」になっています。 他社が発行した定期券であっても、このように「田」の中が「×」になっている事例になります。



昭和33年に発行された梅田−石橋間の通学定期乗車券です(当時の社名は京阪神急行電鉄)。梅田の「田」の字は文字通り、通常の田となっていて、判子により印字されています。 昭和28年に発行された京都(現大宮)−梅田間の定期券です(当時の社名は京阪神急行電鉄)。梅田の「田」の字は文字通り、通常の田となっていて、判子により印字されています。

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