阪神急行電鉄 沿線案内 昭和6年 その3
2009年1月31日更新 説明文追加
@運賃區間圖(運賃区間図) |
赤文字で書かれた駅が区間の区切り駅になっています。寶塚(宝塚)〜C荒~(清荒神)、花屋敷〜池田、櫻井(桜井)〜箕面間は区間内運賃が、 また、十三・北野〜梅田(梅田)間は市内運賃が特例で設定されています。 |
A普通乘車券運賃・回遊乘車券運賃・回數乘車券運賃(回数乗車券運賃) |
[◎普通乘車券運賃] 運賃は神戸・今津線と、宝塚線で別々で設定されていました。往復券は神戸・今津線を2区以上乗車した場合に割引され、2区は5%、3区は約7%、4区は約8%でした。 但し書きに「~戸ヨリ寶塚往復割引券 六四錢」とあり、通常ならば4区往復ですので74銭かかるところが、さらに10銭引き(片道料金×2倍の2割引)となっています。 宝塚への観光促進のためと考えられます。 但し書きに「小兒(四年以上十二年迄)半額但シ市内梅田−北野間ヲ除ク」とあり、 梅田・北野間には小児料金が設定されていませんでした。 但し書きに「~戸、今津線ト寶塚線トニ跨ル塲合ハ兩線運賃ノ併算額ニヨル」とあり、 宝塚線と神戸・今津線の各利用区間を合算した金額が運賃となっていました。 例えば神戸(旧上筒井)から十三を経由して箕面まで乗る場合には、神戸線の4区40銭と宝塚線の2区16銭を合算した56銭となります。 [◎回遊乘車券運賃] 回遊乗車券とは現在でいうフリーパスのことで、大阪(梅田)、神戸の各駅から箕面・宝塚に至る駅間に設定されていました。通用は2日間でした。 [◎回數乘車券運賃] 回数券には20回・40回・60回分の3種が用意されていました。表の「普通」に書かれている料金は、 1区分の値段と思われます。2区以上は単純に1区の値段×区数と思われます。 20回分と60回分における割引率は同じで、60回分は単純に20回分の3倍の料金になっています。 大阪・神戸間を通しで乗る回数券は割引率が高く、通常ならば1.9円×4区=7.6円のところが6.4円(約15%割引)となっています。 平行して走る阪神電車への対抗のためと考えられます。 |
B定期乘車券運賃・貸切乘車券運賃・團体旅客運賃割引率(団体旅客運賃割引率) |
[◎定期乘車券運賃] 但し書きに「小兒學生運賃ト同ジ」とあり、小児定期券は小児学生定期券と同額になっている点が現在と異なっています。 [◎貸切乘車券運賃] 当サイト管理人の計算によれば、2〜4区間で約200人以上乗せれば団体券よりも安く利用することが出来ました。 1区間だけ乗るという需要があったか不明ではありますが、1区の貸切は約440人乗せないと元が取れないため割りに合わないように感じます。 [◎團体旅客運賃割引率] 団体券は、片道「25人以上」「100人以上」「300人以上」「500人以上」と、 往復「25人以上」「50人以上」「150人以上」「250人以上」で、片道・往復で別々に割引率が設定されていました。 現在は「25人以上」「100人以上」「300人以上」で、片道・往復とも各割引率は同一で設定されています。 |
C他社連絡乘車券運賃 |
各社の略名称を当時と現在の社名で記載すれば次のようになります。実際に各社への連絡乗車券が発行されたかは不明ですが、
当サイト管理人が確認した限りでは、京阪への連絡切符を確認しています。
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